演奏時間 | 約5分10秒 | 編成(*印はオプション) | |
グレード | 2+ |
Fl. 1 / 2* Ob.* Bsn.* Cl. 1 / 2* Bs.Cl.* A.Sax. T.Sax.* B.Sax.* Trp. 1 / 2* Hr. 1 / 2* Trb. 1 / 2* Euph.* Tuba S.B.* Timp.* Perc. 1 / 2* |
【使用打楽器】 Timpani S.C. Tri. Wind Chime Tambourine B.D. (with foot pedal) Glk. Vib. Mrb. |
最小人数 | 8人〜 | ||
楽譜 | ブレーンミュージック | ||
楽譜サンプル | スコアPDF | ||
参考音源 | YouTube | ||
CD | ブレーンミュージック | ||
主なソロ楽器 | Cl. | ||
Trp最高音 | 1st: 実音F(記譜ソ) 2nd: 実音D(記譜ミ) |
「青のやまなみ」は2018年、明照学園 樹徳高等学校(群馬県)の第35回定期演奏会委嘱作品として作曲され、同演奏会で作曲者の指揮によって初演されました。
曲は、山の様々な表情や情景を描いたもので、起承転結の4つの部分が切れ目なく演奏されます。冒頭部分はなだらかで柔和な山並みの様子を描いたもので、テンポが変わり6/8拍子になる箇所では、一匹の鳥が断崖沿いに飛んでいくと同時に雨が降り出し、激しい雨嵐が山を襲います。3/4拍子では雨があがって雫がしたたる、しっとりとした静かな山の情景を描き、最終部分では再び日差しが戻り、新緑豊かな山の美しさが際立つ景色を描いています。
演奏グレードはあまり高くなく、楽器経験のあまり多くない初級者でも情景豊かな作品を楽しむことが出来ます。演奏人数は8人(管楽器7人、打楽器1人)から演奏することが出来、オプション楽器が多く設定されているため、幅広い様々な人数で演奏することが出来ます。
「音楽を楽しむのに人数は関係ない」小編成バンドを受け持っていた時に、いつもそう話していましたが、この作品はまさにこの言葉を音楽で証明する力を持っていると思います。たとえ50名であろうが、30名であろうが、8名(この曲の演奏可能な最小人数)であろうが、人数による優劣はもちろんなく、むしろそれぞれの人数だからこそ引き出せる味わいを追求できる作品だと思います。
スコアに目を通しながら楽曲を聴き、その後に作曲者の解説文を読みワクワク感が広がりました。編成や技量に強く制限されることのないコンサートピースとして大切に演奏され続ける楽曲になると思います。
私は音楽科教員ですが、この曲は作品に対するイメージや情景を自由に想起しやすく構成も明快であるため、授業では大切にしているのに部活動になるとつい置いてけぼりにしがちな「知覚・感受→表現」のプロセスを改めて見直し、そして合奏に生かして本当の意味で主体的に吹奏楽・楽器を楽しめる子どもを育てる一助にもなるのではないか、と日々の反省を踏まえながら考えています。
(2019小編成レパートリー徹底解剖! 第三回「青のやまなみ/広瀬勇人」 より)