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蒼き海と船乗り Sailors and the Blue Sea

 演奏時間  約6分00秒  編成(*印はオプション)
 グレード  3+ Fl. 1 / 2* (Picc.)*
Ob.*
Bsn.*
Cl. 1 / 2
Bs.Cl.*
A.Sax. 1 / 2*
T.Sax.
B.Sax.*
Trp. 1 / 2 / 3*
Hr. 1 / 2* / 3*
Trb. 1 / 2 / 3*
Euph.
Tuba
S.B.*
Timp.
Perc. 1 / 2* / 3*
【使用打楽器】
Timp.
S.D.
Hi-Hat
S.C.
C.C.
Tri.
Wind Chime
Tambourine
B.D.
Tam-Tam
Glk.
Xylo.
Vib.
Mrb.
Ocean Drum 
 最小人数  14人〜
 楽譜  ブレーンミュージック
 楽譜サンプル  スコアPDF
 参考音源  YouTube
 CD  ブレーンミュージック
 主なソロ楽器  A.Sax. ( or Cl.) / Fl. / Timp.
 Trp最高音  1st: 実音G(記譜ラ)
 2nd: 実音E(記譜ファ#)
 3rd: 実音Des(記譜ミb)

曲目解説

「蒼き海と船乗り」は2020年、長崎県立佐世保南高等学校 吹奏楽部(顧問:一ノ瀬司教諭)の委嘱作品として作曲されました。

この作品は、軍の港と造船業で発展した佐世保の街にちなんで、蒼く美しい海と、海に乗り出す船乗りたちを描いています。曲の冒頭、オーシャンドラムと鍵盤打楽器による穏やかな波の上でA.Sax.(またはCl.)とFl.のソロがからみあい、静かな美しい海の情景を表現しています。その後徐々に音楽が厚みを増し、中音楽器のユニゾンやTimp.のソロが荒くれ者の船乗りを表現し、力強く生みへと漕ぎ出します。

その後テンポが速くなり、荒れた天気と大きくうねる波に耐えながら船乗りが必死に航海を続け、中間部で一旦海が穏やかになるものの、再び荒れた厳しい航海を経て、最終的にはGrandiosoで目的の地に辿り着いた達成感と喜びの中、華やかに曲が幕を閉じます。

オプション楽器の設定が多く、最小で14人から演奏出来ますが、20人前後でより安定したサウンドとなり、30人前後では厚みと繊細さのメリハリがつきやすい演奏となるでしょう。ユニゾンが多いため、1人1人の負担が少なく無理せずに厚みのあるサウンドが作りやすい一方で、曲中いくつかのパートに現れるソロでは、ソリストの技術や音楽性を十分に発揮することが出来ます。

打楽器は最小で2人で演奏することが出来ますが(打楽器4パートのうち、Perc.3と4がオプション扱い)、打楽器奏者が少ない場合、演奏が休みのTrp.やFl.などの演奏者が一時的に打楽器パートに加わってPerc.3と4を演奏すると、海の情景をより効果的に表現することが出来るでしょう。

また「オーシャンドラム」は曲の雰囲気を作る上でとても重要な楽器なので、より自然の海に近い「波」の音を、適切な音量で表現出来る様、演奏法を研究してみましょう(もしバンドで楽器を所有していない場合は、近隣のバンドから借りたり、自分たちで手作りのオーシャンドラムを作ってみて演奏に加えることが出来ると良いでしょう。)


田川伸一郎先生による解説・選曲アドバイス(ブレーンミュージックHPより)

私が「小編成バンドの救世主」として信頼している広瀬勇人氏の作品で、この作品もオプションパートやCueの配慮がなされており、広瀬氏によると「14名から」とありますが、さらに少なくても曲の味を損ねずに演奏出来る楽曲です。

各楽器の音域にも配慮があり、演奏時間も6分以内で、特に小編成バンドには体力的な負担も少ないと思います。しかしながら、曲の中にはソロやパート単独の見せ場もあり、打楽器もやりがいがあります。Tuttiの箇所には少し難所もあり、安易に演奏出来ないところも逆に演奏者たちの意欲を高めることでしょう。

海の美しさだけでなく荒さを表現している箇所もドラマチックに描かれていますので、緊張感や一体感のある表現を楽しめます。エンディングの雄大な盛り上がりは、曲の表現のまとめと共に、仲間と共に練習を積み重ねてきた日々への達成感も感じながら演奏出来るでしょう。

広瀬氏の楽曲に多い「パワー・ファイブ」(三音がないドとソだけの和音。「空虚五度」とも言われます。)も効果的に使われ、最後の和音もまさにパワー・ファイブで、神々しさを感じさせます。打楽器は4パートありますが、最低2名で演奏可能です。

(教えて田川先生!【小編成選曲編】より)


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