演奏時間 | 約7分50秒 | 編成(*印はオプション) | |
グレード | 4 |
Picc. Fl. 1 / 2* Ob.* Bsn.* Cl. 1 (div.) / 2 / 3 Bs.Cl.* S.Sax.* A.Sax. 1 / 2* T.Sax. B.Sax. Trp. 1 / 2 / 3 Hr. 1 / 2 / 3* / 4* Trb. 1 / 2 / 3* Euph. Tuba S.B.* Piano. Perc. 1 / 2 / 3 / 4* / 5* |
【使用打楽器】 Timp. Tom-Tom (4) S.D. Hi-Hat S.C. Wind Chime B.D. Tub.Bell Glk. Xylo. Vib. Mrb. |
最小人数 | 22人〜 | ||
楽譜 | ブレーンミュージック | ||
楽譜サンプル | スコアPDF | ||
参考音源 | YouTube (演奏音源) YouTube (初演音源。一部オーケストレーション、旋律等が異なります) |
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CD | |||
主なソロ楽器 | Picc. / Cl. / Piano | ||
Trp最高音 | 1st: 実音A(記譜シ) 2nd: 実音Es(記譜ファ) 3rd: 実音C(記譜レ) |
この作品は2021年、東海大学菅生高等学校吹奏楽部の委嘱作品として作曲されました(初演時の曲名:「松姫〜遠い空の向こう」)。
曲は戦国大名・武田信玄の娘、松姫を題材に作曲されたもので、その半生は波乱に満ちていました。松姫が7歳の時、織田信長の嫡男で当時11歳だった織田信忠と政略的な婚約が結ばれます。幼い2人は文通で親交を深めましたが、やがて両家が対立し2人の婚約も解消。しかし婚約解消後もお互いの気持ちが離れることはなく、遠い空の向こうに暮らす相手に思いを馳せながら、結婚せずに年月を重ねます。
松姫が21歳の時、織田家は武田家の領地に侵攻し、信玄亡き後の弱体化した武田家を滅亡に追い込みます。松姫の住む高遠城(現在の長野県伊那市)も織田家の攻撃を受け、松姫は家臣から託された3人の幼い娘を連れて、必死の想いで八王子までの長い山道を逃亡。命からがら八王子に辿り着き、知り合いのもとでひっそりと暮らすことになりました。
そんな松姫のもとにある日突如、信忠の使者が現れ、松姫を信忠の結婚相手として正式に迎え入れたいと伝えます。喜ぶ松姫は急いで信忠のもとに向かいますが、その道中、かの有名な「本能寺の変」が起き、信忠は信長とともに本能寺で亡くなりました。失意の松姫は八王子に戻って出家し、亡くなった信忠や武田家一族を弔う日々を送りながら、引き取った家臣の3人の娘を懸命に育て上げ、独身のまま56歳で静かにその生涯を終えました。この作品はこの様な松姫の、過酷な運命に翻弄されながらも力強く、また慎ましく一途な愛に生きた人生に感銘を受け、作曲されました。
最小で22名の小編成バンドから35名程度の中編成バンドでの演奏に適しており、松姫が信忠に思いを馳せる切ない様子、織田軍の攻撃から必死に逃れる緊迫した様子など、情景描写豊かな音楽がドラマチックに展開されます。クラリネットの人数・音量が少ない場合はオプションのソプラノ・サックスを加えることで全体のバランスがとりやすくなり、打楽器(最小3名から)の人数が少ない場合は、Perc.3の演奏者がPerc.4のB.D.キューも同時に演奏すると(フットペダルを使用してドラムセットのB.D.を叩く)、少ない人数でも厚みのあるサウンドを作ることが出来るでしょう。