演奏時間 | 約5分40秒 | 編成(*印はオプション) | |
グレード | 3+ | Fl. 1* / Picc.* (or Fl. 2*) Ob.* Bsn.* Cl. 1 / 2* Bs.Cl.* A.Sax. T.Sax.* B.Sax.* Trp. 1 / 2* Hr. 1* / 2* Trb. 1 / 2* Euph.* Tuba S.B.* Perc. 1 / 2* / 3* |
【使用打楽器】 Timp. S.C. Wind Chime Tom (3) B.D. Glk. Xylo. Mrb. |
最小人数 | 6人〜 | ||
楽譜 | ロケットミュージック | ||
楽譜サンプル | スコアPDF p.1-3 | ||
参考音源 | YouTube | ||
主なソロ楽器 | Cl. / A.Sax / Tom / Tuba (or 他低音楽器) / Trp. | ||
Trp最高音 | 1st: 実音F(記譜ソ) 2nd: 実音C(記譜レ、五線内) |
「火の鳥〜時空を超えて〜」は2023年、ロケットミュージックへの書き下ろし作品として作曲されました。
曲は、日本を代表する漫画家、手塚治虫の描いた長編作品「火の鳥」に作曲のインスピレーションを得ています。永遠の命を持ち、何度も生き返って古代から未来の世界を渡り歩く火の鳥と、限られた生命の中で争いや葛藤を繰り返す人間社会との対比を通じ、人は限りある命だからこそ、与えられた時間を大切にして精一杯生きるべきである、というこの漫画のメッセージが作曲者なりに消化され、音楽として表現されています。
最小で6人(管楽器5人打楽器1人)から演奏することが出来、10人台の小編成バンドや、25〜35人程度の中編成バンドでもそれぞれ色彩豊かで迫力ある演奏が期待出来ます。それぞれのパートに見せ場があり、多少難しいパッセージや音型も練習すれば問題なく演奏出来る様になり、練習を重ねていく過程で演奏者は大きな達成感を得ることが出来るでしょう。
打楽器は3パートで書かれていて、最小で1人から演奏することが出来ます。人数が少ない場合はS.C.やWind ChimeをTimpの前に置いて1人で同時に複数楽器を演奏し、逆に3人以上いる場合は楽器を振り分けて、1人1人の負担を少なくして演奏することが出来ます。
私も学生時代から熱中した手塚治虫の「火の鳥」。その壮大なストーリーの中にある「黎明編」「大和編」を読んだ時に受けた印象が、この曲で表現されている音の情景や想いに共通するものを感じます。
日本の古い風景のなかの人々の生活の営みを表わすような主題(とても印象的なテーマです)、演奏も一音一音響きを大切に、主題のフレージング、ハーモニー感、曲中に詳細に指示されているアーティキュレーションの扱い(とても重要です)マルカートなのかレガートであるかのコントラスト、そしてダイナミクスの変化を確認して立体的に表現して下さい。
曲は4分の2拍子の躍動的な音楽になります(速度はほとんど変化しない)。打楽器と伴奏との一体感を意識して演奏しましょう。ここでもリズム、アーティキュレーション、ダイナミクスの変化、そして主題のフレージングがとても重要です。中間部はClarinet、Alto Sax、低音楽器の印象的な独奏が聴かれます。奏者の腕と表現力の見せ場です。
そして前半の躍動的な舞曲が再現され、一気にフィナーレを駆け抜けます。転調による緊張感の高まりや主題の展開も意識しましょう。この作品は抜群のオーケストレーションで最低7人でも音楽的に遜色なく演奏できます(作曲者補足:実際には最低6人で演奏可能です)。