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カインとアベル Cain and Abel

 演奏時間  約6分20秒  編成(*印はオプション)
 グレード  3+ Fl. 1 / 2* /Picc.*
Ob.*
Bsn.*
Cl. 1 / 2
Bs.Cl.*
A.Sax. 1 / 2*
T.Sax.*
B.Sax.*
Trp. 1 / 2* / 3*
Hr. 1 / 2* / 3*
Trb. 1 / 2* / 3*
Euph.
Tuba
S.B.*
Piano*
Perc. 1 / 2 / 3*
【使用打楽器】
Timp.
S.C.
Wind Chime
Tom-Tom (3)
Hi-Hat
S.D.
B.D.
Glk.
Xylo.
Tub. Bell
 最小人数  11人〜
 楽譜  ブレーンミュージック
 楽譜サンプル  スコアPDF
 参考音源  YouTube(出版社動画)
 YouTube(初演演奏)
 主なソロ楽器  Fl. / A.Sax / Trp. / Tom-Tom
 Trp最高音  1st: 実音F(記譜ソ)
 2nd: 実音D(記譜ミ)
 3rd: 実音C(記譜レ)

曲目解説

この作品は2024年、神戸女学院大学音楽学部ウインドオーケストラの委嘱により作曲。同大学の演奏、八木澤教司准教授の指揮で世界初演されました。「カインとアベル」とは、旧約聖書「創世記」に登場する、アダムとイブの間に生まれた2人の兄弟の名前で、曲はこの兄弟の著名なエピソードを元に作曲されました。

兄のカインは農業を営み、弟のアベルは羊飼いとして生計を立てていましたが、ある日2人が神様へ捧げ物を贈ったところ、カインの捧げた農作物に神様は全く興味を示さず、アベルの捧げた子羊に大いに喜びました。このことに腹を立てたカインは、嫉妬のあまり弟のアベルを殺害してしまいます。罪を犯したカインに対し、神様はこの先一生続く試練を与えるのと同時に、罪を背負って末永く生き続けるための措置をほどこしました。

この聖書の著名なエピソードには様々な解釈がありますが、自分の想いを受け入れて貰えない時も不満を持つべきでなく(相手からの見返りを求めるべきでなく)、不満を持つと相手への恨みや他社への嫉妬など負の感情が自分の行動に悪影響を及ぼしてしまう、といった内容に作曲者は共感を覚え、曲を作曲するきっかけとなりました。

この曲ではカインの心の動きに焦点をあて、神様に良い捧げ物を贈ろうと日々農耕にいそしむ様子、自分の捧げ物が神様に受け入れられなかった時の失望感、受け入れられたアベルに抱く嫉妬と殺意、自分の犯した罪の重さに気がつき公開する様子、罪を背負いその後の人生を生きてゆく様子などがドラマチックに描かれています。

オプションパートが多く、曲は最小で11人の小編成バンドから35人前後の中大編成まで、いずれの編成で演奏しても演奏効果が高く充実したサウンドが期待できます。各パートの1st奏者にはソロの見せ場が多く、一方で2nd、3rdパートは技術的に少ない負担で演奏できる様、細かな配慮がなされています。打楽器は最小で2人から演奏することができ、打楽器奏者が少ない場合は、Perc.1はTimp.とS.C.を同時に、Perc.2はTom-Tom/H.H.とB.D.(フットペダルを使用)を同時に演奏することが可能で、逆に多い場合はそれぞれの楽器ごとに分かれて演奏すると良いでしょう。