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エルサレムの光 Light of Jerusalem

 演奏時間  約7分20秒  編成(*印はオプション)
 グレード  3+ Fl. 1 / 2*
Ob.*
Bsn.*
Cl. 1 / 2 / 3*
Bs.Cl.*
S.Sax.
A.Sax.
T.Sax.
B.Sax.*
Trp. 1 / 2 / 3*
Hr. 1 / 2* / 3*
Trb. 1 / 2 / 3*
Euph.
Tuba
S.B.*
Timp.
Drums
Mallets
Piano* 
【使用打楽器】
Timpani
Drum Set
(S.D. / Tom-Tom (3) / Hi-Hat / B.D. / Bongos & Congas / Whip / Tambourine)
S.C.
Wind Chime
Sleigh Bell
Tub.Bell
Glk.
Xylo.
Vib.
Mrb.
 
 最小人数  16人〜
 楽譜  ブレーンミュージック
 楽譜サンプル  スコアPDF
 参考音源  YouTube
 CD  ブレーンミュージック
 主なソロ楽器  S.Sax / Vib. (or Piano) / Mrb.
 Trp最高音  1st: 実音B(記譜ド)
  →実音Gis (記譜ラ#)でも可
 2nd: 実音Es(記譜ファ)
 3rd: 実音C(記譜レ)

曲目解説

「エルサレムの光」は2017年、名古屋市立富田高等学校(顧問:渡部信介教諭)の委嘱により大編成の吹奏楽曲として作曲され、同校第14回定期演奏会にて、作曲者の指揮で初演されました。初演後、作曲者により最小で16人前後から30人程度で演奏出来る様に小編成版が作られました。

中世ヨーロッパでは、キリスト教がイスラム教から聖地エルサレムを奪還するという目的で、11世紀末から約200年間で合計10回の十字軍遠征が行われました。その第6回の十字軍遠征を率いたフリードリヒ2世(1194-1250)は、もともとキリスト教とイスラム教が共存するシチリア王国の王でしたが、神聖ローマ帝国の皇帝となったことを機に、自分の意に反してローマ教皇から十字軍遠征を命じられてしまいます。

イスラムとの争いを望まないフリードリヒ2世はエルサレムへ向かう道中、当時のイスラムのリーダー、アル・カーミルを相手に流ちょうなアラビア語で何度も手紙をやりとりし、辛抱強く外交交渉を続けた結果、1229年両者がエルサレムで共存する平和条約(ヤッファ条約)を結び、以後10年間はエルサレムに平和の光が訪れました。

しかしフリードリヒ2世がエルサレムを離れ、アル・カーミルも死去した後の1224年、再びエルサレムは戦火の地と化し、別のリーダーによる十字軍遠征も再開され、現代へと続くキリスト教とイスラム教の長い対立が始まりました。

この作品は上記のテーマを元に作曲されました。曲の各部分は以下の様な情景を描いています。

Andante maestoso:フリードリヒ2世の皇帝即位、同時にエルサレム奪還を命じられる
Moderato:エルサレムに向けて第6回十字軍が出発
Rubato:フリードリヒ2世、イスラムとの争いを望まず
Andante misterioso:アル・カーミルと手紙で粘り強く交渉を続ける
Andante tranquillo:最初はお互いぎこちないものの、エルサレムに平和が訪れる
Presto:両者のリーダーが街を離れ、不穏な空気から再び争いが起こる
Grandioso - Presto:エルサレムの平和は長く続かず、現代に続く長い対立が再び幕を上げる

打楽器パートはドラムセットを用いて3名で演奏出来る様に書かれてありますが、3名以上いる場合は適宜楽器を振り分けて、逆に3名以下の場合は、ピアノに書かれたマメ譜(キュー)で補ったり、休みの管楽器奏者が打楽器を演奏する等の工夫を行うと良いでしょう。


都賀城太郎先生による解説・選曲アドバイス(ブレーンミュージックHPより)

大編成用に書かれた曲の小編成版ですが、様々な工夫がされていて小編成でも十分演奏効果が得られると思います。最小演奏可能人数16名となっていますが、オプションのピアノパートを使うなどすれば、もう少し少なくてもいけるのではないでしょうか。

また、打楽器はティンパニ+小物で1名、皮もの系で1名(ドラムセットを使用)、鍵盤系1名(ピアノで代替可)の計3名です。こうした曲の場合、ドラムセットのバスタムは安っぽく聞こえてしまうことがありますが、最近はフットペダルについているビーターの種類も豊富なので、選べばコンサートバスドラムにかなり近い音が得られます。5000円程度ですのでお勧めです。

曲はストーリー性もあり、各パートの音域も無理がないです。途中変拍子、複合拍子が出てきますが、音楽の流れを掴めばそんなに難しくありません。練習方法としては言葉や体でリズムを体感した後に演奏に入る方が近道だと思います。

(教えて都賀先生!【小編成 選曲編】より)


コンクールカット案

◆カット案A(7分以内)  カット前:約7分30秒 → カット後:約6分38秒

  1. 練習番号M手前まで演奏し、練習番号Oに飛ぶ(練習番号M-Nをカット)→約37秒短縮
  2. 208小節目3拍目表の音をフェルマータで伸ばし、練習番号Sに飛ぶ(208小節目3拍目裏 - 練習番号Rをカット)→約15秒短縮

◆カット案B(6分以内)  カット前:約7分30秒 → カット後:約5分38秒

  1. 練習番号C手前まで演奏し、練習番号Dに飛ぶ(練習番号Cをカット)→約40秒短縮
  2. 練習番号K手前まで演奏し、練習番号Lに飛ぶ(練習番号Kをカット)→約15秒短縮
  3. 練習番号M手前まで演奏し、練習番号Oに飛ぶ(練習番号M-Nをカット)→約37秒短縮
  4. 208小節目3拍目表の音をフェルマータで伸ばし、練習番号Sに飛ぶ(208小節目3拍目裏 - 練習番号Rをカット)→約15秒短縮